また2019年には、ニューヨークに語学留学しました。知り合いのパンケーキ屋さんで手伝いをしながら語学学校に通ったのですが、その異文化体験がすごく楽しかった。

その店では週末になると、スタンダップコメディ(即興話芸)が上演されるんです。最初は聞き取れなかった英語が、徐々にわかってくるのが嬉しかった。3ヵ月という短い期間ながら、充実した時間を過ごせました。

僕はゼロから勝ち上がって成功をつかんだ人の人生に対するあこがれがあって、矢沢永吉さんの著書『成りあがり』が大好きなんです。音楽でも反骨精神あふれるヒップホップやブラックミュージックを好んで聴くのですが、ニューヨークでジャズを聴いた時に「すべてのルーツはここにある!」と感じて。

ピアノに惹かれたのも、もしかしたらそれが理由かもしれません。もっとうまくなったら、セッションをしてみたいです。

共演者たちに支えられて

この夏、主演した『映画 太陽の子』が公開されます。この作品は、太平洋戦争末期に実在した「F研究」という日本の原子核爆弾の研究・開発を題材にしています。僕が演じるのは、京都帝国大学・物理学研究室の石村修。アメリカより先に原子核爆弾を開発すべく、研究に全力で取り組んでいる科学者です。

若き科学者・石村修は、研究に魅せられ、危険も冒して取り組む (C)2021 ELEVEN ARTS STUDIOS / 「太陽の子」フィルムパートナーズ

僕はこの事実を知らなかったので、「戦時中こういうことがあったのか」と確認しながら台本を読み進め、衝撃的な作品だと感じました。その威力に恐怖を感じながらも、科学者として原子核爆弾の研究に魅了されていく――。これも、戦争の恐ろしさの一面なのだと感じました。