「今は、30代でもう一花咲かせたいと思っています。花を咲かせまくって満開にしたいです。」

僕らしい場所を見つけたい

僕は14歳の時に、映画『誰も知らない』に出演し、カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞したことで突然注目される立場になりました。演技ということがあまりわかっていない状態でしたので、賞に見合うようにならなければと、たくさん失敗しながら今日まで歩んできました。

演技については、場数を踏んだぶん成長していると信じたいですが、満足はしていないです。一所懸命演じても、必ずしも良い評価をもらえるとは限らない。でもその悔しさをモチベーションにして、もっとうまくなりたい、もっと頑張ろうと自分を奮い立たせてきたつもりです。

自身が出演した作品を振り返って観ることは少ないですね。5年、10年と月日がたてば、昔の日記を読むような感覚で観返せるかもしれないけれど、たとえば今、14歳の頃の演技を観たら、「えっ、できてないじゃん?」と感じると思います。

最近になって、レオナルド・ディカプリオが環境問題をテーマにした映像を何本も製作していることを知りました。しかも彼は、32歳くらいでそれを撮っているんです。現在31歳の僕からしたら、驚きでしたし、素晴らしいことだな、と。もちろん同じことがしたいわけではないけれど、模索しながら僕らしい場所を見つけたいと思っています。

今は、世界同時動画配信が可能なNetflixのような新しいサービスが出てきたおかげで、海外との距離が縮まり、演じる側の可能性も広がってきました。海外作品に出演しなくても、あらゆる国の人に観ていただける可能性があり、大きく状況が変わってきているなと思います。僕も今後、より多くの国の人に観ていただける俳優を目指したいです。

その一方で、原節子さんの生き方に憧れてもいて、40歳くらいで突然引退! なんてこともあるかもしれないけれど(笑)。今は、30代でもう一花咲かせたいと思っています。花を咲かせまくって満開にしたいです。