そんなふうに落ち込んでいた私を、その時の舞台のメンバーは「ブランクがあるのはわかっているから、間違えたらフォローするし、伸び伸びやって大丈夫だよ」と励ましながら引っ張ってくれたんです。あの時の仲間に支えてもらった経験がなければ、舞台のお仕事を続けていられたかどうか……。今でも本当に感謝しています。
梅沢富美男さんと明治座で舞う
その後も途切れることなく舞台が続いたなか、梅沢富美男さんの舞台、明治座に呼んでいただきまして、センターで群舞を率いて梅沢さんと二人で舞うという大役をいただくことができました。死に物狂いですよね、もう。
その時から日舞も習い始めました。50の手習いですが、そのあとほかの舞台で、その時の踊り、「カタ」を使って演技をしたら、とてもウケて。無駄な努力ってひとつもないなぁと思いました。
どの現場にいっても歳は上ですけど、気持ちは今だに〈新人〉のつもりです。当たり前ですが、毎回その作品に全力で取り組まないと次に繋がらない、そういう世界だと思っています。