大人でも、つまずくべきところで人はつまずく

心配した友人が東京から飛行機で会いに来てくれて、僕が少年時代を過ごした子ども部屋で話し込みました。

友人は「塞ぎ込んでいる理由はよくわからないけれど、どんな状況でも人生を楽しんだほうがいい。武田真治でいるということは宝くじに当たったようなもの。それをもっと謳歌したらどう? なんだかんだ武田真治ってだけで、ほとんどの女の子はデートしてくれそうじゃん」と。

僕にはまったくない発想すぎて、「はぁ? なんだそれ?」とは思いましたが、なにか心に温かく引っかかるものがありました。きっと自分が自分を好きじゃないから、まわりの人も自分のことを嫌いなんだと勝手に思い込んでいたんでしょうね。

男の人はみんな僕を恨んでいるように思えたし、女の人はみんな僕のことを気持ち悪いと思っているだろうと。

もっと後になって、その友達の言葉を信じ、思い切ってまわりに声をかけてみると、みんな普通に話してくれるではありませんか。利害関係なんて誰も意識していないし、僕に対してネガティブな思いなんて誰も持っていない。ただの僕のマイナス思考の空回り(笑)。

普通なら小・中学生で経験して乗り越えてなきゃいけないようなことなのに、少年時代が夢へ向かって順風満帆すぎて、なにかが欠落していたんでしょうね。大人になってからでも、つまずくべきところで人はつまずくんです。

心が疲れたときは、現状から逃げてみることも大事だと思います。あのまま東京にしがみついていたら、もっと心がすり減って、もっと体も壊していたかもしれません。