イラスト:星野イクミ
母はショック、娘は嘆息。双方の言い分や感情のトラブルを、家族問題についてアドバイスしてきた信田さよ子さんが解決します。第3回は娘側からのお悩み。年を取っても横暴なままの母に傷ついて……(構成=篠藤ゆり イラスト=星野イクミ)

【相談3・娘からの悩み】
60代になっても母に振り回されている私
Cさん(主婦・64歳)

長女の私は、「おねえちゃんだから」といつも母に我慢させられてきた。中学のとき、いじめられて泣いて帰ると、「あんたも悪い」。成績が悪いと「親に恥をかかせるな」。そんな言葉が胸に突き刺さったままだ。

結婚後は実家の敷居をまたぐなと言われ、帰省したのは3回のみ。ところが母は80代になる頃、「親の面倒くらいみろ」と言い出したので、久々に実家へ。

また「気が利かない」と愚痴る。「だったら妹に頼んだら」と言うと、「姉だからといってえらそうに」。年をとれば性格も丸くなるかと期待したが、横暴なままでつらい。

 

【アドバイス】

こういう母親は今さら変わらない

この方のお母さんは、80代。戦中戦後をくぐりぬけ、大変な時代を生きてきたのかもしれません。おそらく、「娘が結婚して食べるに困らない生活をしているのは自分のおかげ」という思いがどこかにあるはずです。

お子さんの世代よりはるかに多くの我慢を強いられてきたけれど、時代が変わり、今や「天上天下私のもの」。いわば女帝です。こういう母親は今さら変わらないし、まだあと10年くらいは生きそうです。そして加齢の影響で、ますますエキセントリックになる可能性も。