(左)ピアノの弾き語りでさまざまなステージをこなす/(右)弁護士として、全国各地で講演活動なども行う

ヘレン・ ケラーの言葉に勇気をもらい――亜矢子

目が見えないことによるハンディキャップは、身体的にも、社会的にも、生きていく上で、決して小さいものではないというのが偽らざる事実です。ましてや、夫婦ともに全盲で、子どもを産み、育てるとなると…。

それでも、わたしたちは「決断」し、結婚、そして子どもを授かることができました。いろいろな方々の支えや力を借りて、今日までなんとかやってこられたのです。

あのとき「決断」して良かった。決断とは、みずからの手で幸せをつかみとることなんだな、と今改めて思います。決断こそが「愛」なのだと…。

「体が不自由でも、真実を受け止める強い心さえあれば、少しも力を落とすことはない。体が不自由であるからこそ、人々の本当の味方になれるのだ」

ヘレン・ケラーの言葉はいつも私を勇気づけてくれます。

いつか、家族とともに、ヘレン・ケラーの生家を訪ねられたらいいなと思います。ヘレン・ケラーが通った学校、教会、そして何より、「ウォーター!」とつぶやいた井戸に行ってみたい。そこは、ヘレン・ケラーの本当の人生が始まった場所ですから、夫と子どもたちと一緒に訪ねてみたい…。

私はピアノと歌、夫はクラシック・ギターで一緒に演奏し、歌うとき、私たちの中に幸せの粒が生まれるような気がするのです。家族といるとき、さらにその幸せの粒が確かなものに思えてきます。私たち夫婦ふたりが出会い、結婚し、家族となった道のり、そして、日々の生活の中で感じるさまざまな思いを知っていただくことで、何か、ちいさなきらめきの粒が、あなたの中に見つかると いいな、と願っています。