『本みりんを使ったおせち』(撮影:石井宏明)
『婦人公論』(12月14日号)の料理連載「ヘルシーキッチン」では、「本みりんで味がきまる今どきのおせち」を特集! そろそろお正月の支度に思いを巡らす時期。現代的なアレンジを加えたお洒落なおせち料理はいかがですか。気軽に作れて味わい深い、本みりんを使った美味レシピを料理研究家の井原裕子さんに習います(撮影=石井宏明 スタイリング・構成=野澤幸代 取材協力=角谷文治郎商店)

手軽に作れる今どきのおせち。
本みりんで味わいは本格派

お正月はいつも故郷に帰り、おせちを囲んで家族で祝います。私はおせちが大好きなので伝統的な料理をひととおり作りますが、目新しい食材やちょっと洋風の味つけのおせちが家族には好評です。

両親ともに三河の出身で私は名古屋育ち。昔から三州三河みりんが身近にあったので、お屠蘇はもちろんおせちにもたくさん使います。普段から料理に甘みをつけるのは、砂糖より本みりんが多いですね。もち米などをじっくり発酵させた伝統製法の本みりんは、甘みや照りだけでなく、コクとうまみがあります。

アルコールを含んでいるので魚介のくさみ消しにもなり、砂糖と違って溶け残りがないから焦げつきも少ないですね。本みりんはお米のリキュールのようなものだから、発酵食品の青かびチーズやバルサミコ酢ととても相性がよいのです。伝統製法の本みりんを使ったことのない方は、おせち作りで試してみるのもいいかもしれません。

今回のレシピを教えてくれる井原裕子さん