メディアの母は「見ていて恥ずかしい」

花音 「以前はよく音楽を聴いて、特定の感情が湧いてきて絵画を描くこともありました。今は絵を描く時あまり音楽を聴いていませんが、あるシーンが浮かんできて、絵以外の方法で表現したいなと思うことがあります」

娘にはとにかく好きなことで表現者になってほしいと思っています。夢は娘との共演。娘の絵画の個展で私が演奏する未来を楽しみにしています。あなたから私に何かメッセージはありますか?(笑)

「娘には表現者になってほしい」という川井さん(写真提供◎川井さん)

花音 「お母さんは、コンサートの時もそうですが、メディアに出た時、お話しするのが下手で、見ていて恥ずかしくなる時があります。しゃべろうと思ったことをまず『こうあるべき』というところに当てはめてから喋っているようで、正直な気持ちを口にしているように見えないんです。いつも通りにしたほうがいいのになって思います」

厳しいですね(笑)。実は、本当に一番緊張するのが喋ることなんです。台本があればいいのですが、自由に喋ってくださいっていうのが大の苦手。言葉に対する怖さとか、ためらいのような感覚を持っていて。だからこそ演奏する時に、普段発散できないものを解放しているのかもしれません。演奏している時は別人だね、といつも言われてしまいます。