黄金の言葉を一つでも見つけたい

武田 そう! ゴルフにも通じる。テークバックの時は、まず吸う。それで吐きながら振る。そうすると力むことができなくなるから、しっかりミートできるようになるんですよ。

ゴルゴ 武道に限らず力が抜けている人の方が、すべてのことでプロフェッショナルになっていきますよね。

武田 ゴルゴさん、私はまさにそれを追い求めているんですよ。人生には、すべてのことに通じる「極意」がある気がするんです。その極意を一つでもいいから掴みたい。ここで言う極意というものは、全てのことに通用しないとダメなんです。

合気道は強くなって、ゴルフは上達し、飯はうまくて、よく眠れる。人間関係もうまくいく。そんな黄金の言葉を、生きているうちに一つでも見つけたい。内田樹さんの文章からは、極意の匂いがするんです。だから合気道に惹かれたのかもしれませんね。

ゴルゴ 僕も同じように思います。漢字もそうですが、昔の人が何を考えていたか、ということを通して、それが分からないか研究しています。今のお話を通して、ヒントをもらえた気がします。これから面白い50代が過ごせそうです!

※本稿は、『「命」の相談室-僕が10年間少年院に通って考えたこと』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。


『「命」の相談室-僕が10年間少年院に通って考えたこと』(著:ゴルゴ松本/中公新書ラクレ)

長きにわたり若者の人生に寄り添い続けてきたお笑いコンビ・TIMのゴルゴ松本。生き方に惑う人たちの悩みに答え、生きづらい今の時代を楽しく生きるヒントを与える、令和版「命の授業」!