すべての物に好奇心を持ちたい

風景やポートレートジャンルだけを撮るというのは、なんともったいないことだろうと思う。海外で個展や撮影の仕事をすると、フォトグラファーというのはすべてが撮れた上で、その中に自分の専門分野がある。

ブライダルの人でも風景が撮れるし、風景の人でもドキュメンタリーが撮れる。「ネイチャーフォトグラファー」という言葉があるのは、どこかの島国だけだ。

『光と影の処方箋』(相原正明著/玄光社)

だからぜひいろいろな被写体をいろいろな条件で撮影に挑んでもらいたい。意外な発見や意外な自分の個性を見つけられるかもしれない。

近景の撮り方は不動産広告や女性誌の料理やテーブルまわりの撮影からヒントを得た。風景だけ、ブツ撮りだけという見方も撮り方もあり得ないと思う。

森羅万象すべての物は繋がっているし、この世の森羅万象を相手にするのがフォトグラファーだと僕は信じる。だからすべての物に好奇心を持ちすべての物が撮りたい。