面前DVという虐待にあっていたと知る

先生が反応したのが、体重の増減があまりに激しいこと。
激やせしたあとは逆に体重が増えやすい。

19歳からいままで、MaxとMinで実に30キロ近い差がある。
それを聞いた先生は、「あなた精神的に不安定なんじゃない?」と言った。
「心療内科に通ってて、抗うつ薬や睡眠薬も飲んでいます」
「幼少期の家庭環境に、問題があったんじゃない?」
「父親の母親への暴力が酷かったです」
「やっぱり・・・」

聞くと、幼いころの虐待経験で、その後慢性的に体調不良を抱える人がいるという。
「虐待」の影響を指摘され、軽く衝撃を受けた。

私は父から身体的虐待を受けていたわけではない。
固定観念だが、虐待とは、自分自身が殴られたり蹴られたりすることだと思いこんでいた。
だから、虐待サバイバーを取材し、後遺症について当事者から話を聞いても、「なんて大変なんだろう」とは思うけれど、自分は違う、とどこかで思っていた。今はその時の自分に「お前もだよ!!」と言ってやりたい。

面前DV(目の前でDVを見ること)、親から行動制限を受けたり怒鳴り散らされたりする、というのが18歳まで続いたが、それが立派な虐待だったのだと、初めて認識できたのだった。
先生は続けて言った。

「あなたは自分が生まれつき虚弱体質だと思ってるみたいだけど、後天的なものも大きいはずですよ」

ツイッターで、虐待のサバイバーが、人と会うと相手の顔色を読みすぎてどっと疲れる、大人になっても精神疾患を抱えている、という話をよく目にして、内心ドキっとしていた。
今なら、自分もそうだと認めざるを得ない。