解離性同一症に近い状態

わずかな目線の動きや声色の変化から、相手の感情を読み取ってしまう。人と会うとどっと疲れるし、オンラインで話した後、布団に倒れ込んでそのまま動けない、なんてこともある。

疲れやすいのは体が弱いからだと決めつけていたが、どうやらそれだけではなさそうだ。
高校生の時から、大学生の時も、そして実は社会人になってからも、体力作りのために走り込みや筋トレは続けている。

それでも、疲れると心臓が痛くなるし、呼吸が浅くなって、頭痛になる。
会社が休みの日は張り詰めていた糸が切れるのか、体がずっしり重く、布団から全く出られない。やっと起き上がったら23時、なんてこともザラだ。

心療内科の先生に、数ヵ月ほど前「解離」を指摘された。激しい苦痛や虐待による心的外傷(トラウマ)などによって一人の人間の中に全く別の人格が複数存在するようになることを解離性同一症という。多重人格障害といった方がピンと来る方も多いかもしれない。

先生曰く、私の場合解離性同一症まではいっていないが、激しい苦痛を伴うことが起きたとき、どこか他人事のように捉え、衝撃を受けていないかのように、無意識に自分の感覚を麻痺させるクセがあるそうだ。要は、一時的に衝撃を受ける別の人格が現れて、いつもの人格から守るということらしい。

指摘されるまで気づかなかったが、どうやら、よくこの解離を起こし、現実をやり過ごしていたらしい。そして、それは一時的な対処法に過ぎず、実際は自分がそのまま全部苦痛を受けているので、ふとしたときどっとその疲れや心身への影響が出るというわけだ。

今は鎮痛剤を減らすよう努力中だが、先日も夜中に強烈な頭痛で目が覚めてしまい、薬との付き合いはまだ続きそうだ。
そして、そうしている間にもこれまた長い付き合いの脂漏性皮膚炎や、1ヵ月ほど続く下血など、病院に行かねばならない症状は次々にやってくる。

医療費に家計を圧迫され、今日も預金残高とにらめっこしながら深いため息をついている。

(写真提供◎写真AC)

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