自分の辞書を作って
大事なことをもうひとつ、友達は数じゃないんだ。
1000人の友達登録があっても本当にしんどいときに救ってくれるのは運が良くてひとり。そのぐらい、本当の友とはなかなか出会えない。
だからこそ、人数のために、InstagramやTwitter 、TikTokの「いいね」の数のために生きないで。数字はアナタではない。数字の中には本当の関係は存在しない。囚われないで。
一般社会は誰かの「普通」という単語から生まれた。みんな自分の物差しで測り出す。
でも、一人ひとりの普通が存在する。アナタにはアナタの普通がある。今、誰かのために自分を変えても1年後にはまた、新しい誰かのために自分を変えなければならなくなる。
アナタは世界でひとりの存在、やりたいこと、生きたいように生きて欲しい。生きられない多くの命の代わりにも。
明日がくるとは保証はされていない。だからこそ、今日を生きて。一生懸命にならなくていい。生きてくれてるだけで、一生懸命だもん。
ありがとう。
人はいつも「自分探しの旅へ出て行く」。でもね、自分を探そうとしなくていいんだよ。
なぜならね、私たちはすでに存在していて、自分を見失ってはいない。大切なのは「自分を肉厚にすること」。あっ、体重のことではないからね。
経験をして欲しい。他人がアナタの人生を決めるんじゃない。アナタが自分の人生を決めて欲しい。失敗は成功。
そう、どんどん失敗していい。そこから見えてくる、新しい可能性さえ見落とさなければ。
自分の辞書を作ってね。失敗とは成功への近道と、ね。
※本稿は、『言葉の花束』(講談社)の一部を再編集したものです。
『言葉の花束』(著:サヘル・ローズ/講談社)
イランで生まれ、養子縁組した養母と8歳のときに日本へやってきたサヘル・ローズ。外国人母子家庭として暮らし、差別も貧困もいじめも経験した彼女は、多くの苦難とどう向き合ってきたのか? 腐らず、前向きに生きてきた背景に何があるのか? さまざまな困難を切り抜けてきたからこその言葉を花束に紡ぎ、読者へ捧げた一冊。