富司 財産に関する目録はきちんと残してあるから、あとはきょうだいでどのように相続するのか話し合ってちょうだい。
寺島 骨肉の争いにならないようにしておいてほしい。(笑)
富司 大丈夫よ。お金のことで命を落としはしないから。
寺島 きょうだい間で殺人事件とかあるじゃない。(笑)
富司 恐ろしいことを言わないでよ。いずれにしても先のことはわからない。計画通りにはいかないのだからギュウギュウに考えても仕方ないのよ。それより今の幸せを見つめて、一日一日を大事にしたほうがいいと思わない?
寺島 たしかにそうだね。私も今は子育てと仕事でお腹いっぱい。でも、今日は久々にいろいろな話ができて良かった。
富司 先は長いかもしれないのだし、これからも仲良くやっていきましょうよ。
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ヘアメイク:
倉田正樹(アンフルラージュ)(富司さん)
光倉カオル(dynamic)(寺島さん)
スタイリング:
清野恵里子
着付け:石山美津江
衣装協力:帯/シルクラブ
出典=『婦人公論』2022年4月号
富司純子
女優
1945年和歌山県生まれ。63年、映画『八州遊俠伝 男の盃』で女優デビュー。以降、東映任俠映画の看板女優として活躍。結婚を機に一時芸能界を引退するが、ワイドショー『3時のあなた』の司会で復帰。主な出演作に映画『おもちゃ』『フラガール』など
寺島しのぶ
女優
1972 年京都市生まれ。2003 年、『赤目四十八瀧心中未遂』(荒戸源次郎監督)と『ヴァイブレータ』(廣木隆一監督)で国内外の賞を数多く受賞。
『キャタピラー』(10/若松孝二監督)では、ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞。『オー・ルーシ―!』(18/平栁敦子監督)ではインディペンデント・スピリット賞主演女優賞にノミネートされる。近年の主な出演作に、『幼な子われらに生まれ』(17/三島有紀子監督)、『止められるか、俺たちを』(18/白石和彌監督)、『ヤクザと家族 The Family』(21/藤井道人監督)、『Arc アーク』(21/石川慶監督)、『キネマの神様』(21/山田洋次監督)、『空白』(21/吉田恵輔監督)、『天間荘の三姉妹』(22/北村龍平監督)など。NHK大河ドラマ『どうする家康』で語りを務めている。