《英国・ヴィクトリア&アルバート博物館に収蔵の快挙》
伊藤浩子の麗しき作品世界

2021年11月、伊藤浩子さんの手編み作品「竹林」「もみじの舞」が英国ロンドンの博物館に収蔵されました。世界の美術工芸品を収集している同館の東洋部で、手編み分野の作品が収められたのは初めてのこと。同館に収蔵された2作品に加え、伊藤さんの作品の一部を紹介します。


以下撮影◎児玉晴希(『伊藤浩子作品集』より)

 

『竹林』

『竹林』竹の葉が重なるジャケットと、茎を描いたスカートのアンサンブル
「竹の葉は特注で染めた9色の毛糸と金色のラメ糸、葉脈は銀色のラメ糸で編み、光と風によってほのかに輝く竹林を表現。上へ伸びていこうとする竹の流れを生かすために、ジャケットの衿ぐりは自然に立ち上がるデザインに。直線だけで構成された竹のスカートは、取材のため訪れた竹林にたたずんでいた時から構想していました」(伊藤さん・以下同)
糸:ウール、ラメ/2009年制作

 

『もみじの舞』

『もみじの舞』光沢のあるレーヨンの糸の地に、ウールやシルクのもみじを全面に散らしたフードつきのマント
「軽井沢の山を訪れると、色とりどりのもみじが舞い落ち、足もとに敷き詰められていました。葉を集めて自宅の絨毯に散らし、さまざまな角度から表情を観察。もみじの舞をドラマティックに表現するため、マントに仕立てました。長い歳月をかけ染めてきた特注のオリジナル毛糸コレクションが、もみじの色を表現するカラーパレットに」
糸:レーヨン、ウール、シルク/2011年制作