子どもたちの反応は

次に、大阪で仕事をしていた長男に話すことにしました。

時々東京に戻って来てはうちに泊まっていたので、そのタイミングを狙ったある日、僕の帰宅が夜遅かったし、次の日は休みだったので、

「明日、大事な話があるから、お前の部屋に行って朝起こすぞ」

とだけ言って寝ました。
そして翌日。長男の部屋に行って、

「NHKを辞めることになった」

と伝えると、

「それはよかった」

と想定外の返事が返ってきました。

「なんで、よかった、なんだ?」と理由を聞くと、「大事な話をする」と言ったもんだから、僕が大きな病気になったか、NHKを辞めるか、どっちかだと思ったらしいんです。心配していた病気のほうじゃなくて「よかった」というわけでした。

僕はそんな風に長男が考えるなんて思いもしませんでしたが、中年になった親を持つ子どもの発想は、そういうことになるんだな。なるほど自分も歳をとったわけだと実感しながら、長男をクリア。

2人の娘たちも「ここはもうお父さんが決めたことだから」と受け入れてくれて、子どもたちの第二関門も突破しました。