即出は経験と力技がモノをいう

では「第26場 即出の場面」を詳しく見ていきましょう。
あくまでも、私が下級生の頃の大昔のお話です。

まず、パレードの時点で、衣装の下に洋服を着こみます。
(といってもズボンとかではなく、スパッツです。スパッツ…)

そしてすぐさま宝塚化粧を落とさなくてはいけません。
これが大変です。
大きなコットンに、ベビーオイルを染み込ませたものを2、3枚用意しておきます。
つけまつげを取ったらそのままそのコットンで拭き取ります。
そのままでは顔がオイルだらけでベトベトです。
ですので、マジックタオルを濡らしてスタンバイ。
それで拭いて仕上げます。

コットンでゴシゴシは肌には超絶悪いやつです。
気持ち的にマジックタオルはまだ優しい気もします。
でも、ここは肌のことなんかより、先に退館することの方が大事です。

しかし、急ぎすぎるとまつ毛をつけたままベロン…
まつ毛はそのまま「さようなら」になってしまいますので慎重に。

化粧を取って私服に着替えたら、全力で退館です。
キャリーバッグをいかにスムーズに使いこなすかというのも、ここで身につけた技です。
どんな凸凹の道でも、己の腕の絶妙な力加減で、キャリーバックを倒す事なく走らせられる自信があります。
「第26場 即出の場面」は、経験と力技がモノをいう場面となっています。

先日3代目のキャリーバックを重量オーバーで破壊し、今は4代目に