舞台を観て妄想にふけったことも

鈴木聡さんによる《当て書き》は、美意識が高い吾郎さんのプライベートを垣間見るような気持ちになることに加えて、相手役の女優さんと吾郎さんが本当に恋に堕ちるような錯覚にも陥ります。

因って私は、これまでインタビューの中で何度、「真飛聖さんと結婚して!」と言ったことでしょうか。真飛さんは、『恋と音楽』シリーズで共演した元宝塚トップスターである女優さんです。加えて、自分と年齢が近い北村岳子さんと吾郎さんが劇中で恋に堕ちたら、どんなに素敵だろうかという妄想にふけったこともありました。

舞台でも美学を忘れない吾郎さん(舞台写真提供◎CULEN)

ファンではありますが、仕事相手として、吾郎さんのことはよくわかっているつもり。そんな私でさえ、妄想に浸らせる鈴木聡さんの《当て書き》と、その物語に身を任せ、美しく進化していく吾郎さんに、京都劇場で会える皆さんは幸せだと思います。

美意識とは、人が文字通り美しく生きていくためには必ず必要なものだと思います。それを教えてくれた稲垣吾郎さんに心から感謝。

ミュージカル・コメディ『恋のすべて』をまた観に行かせていただきたいと思います。

『恋のすべて』の一場面より

 

前回「パワフルで褒め上手な友人・アンミカさん。〈白って200色あんねん〉は忘れられない言葉」はこちら