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2021年8月から「デビュー50周年」としての活動を始めた郷ひろみさん。66歳の今も昔と変わらぬ若々しい姿と激しいパフォーマンスでファンを魅了する郷さんですが、「変わり続けてきたからこそ今がある」のだと言います。ファンの方への思い、デビュー秘話、恩師との別れ、今後の抱負などについて聞きました。
(構成=丸山あかね 撮影=木村直軌 ヘアメイク=猪狩友介)
前人未到のファンクラブの歴史
僕はあんまり周年にこだわるタイプではないんです。デビュー以来、10年ごとに訪れる節目も、過ぎてしまえば通過点でしかないのだから、と捉えて淡々と歩み続けてきました。でも、50周年の節目は重い。僕がデビューした年に生まれた人が50歳になっているのかと考えると、我ながらよくやってきたなと思います。もっとも、すごいのは僕ではなく、ファンの皆さんなんですけどね。
ファンクラブができたのは1971年。50年続いているというのは、日本では前人未踏のことなのではないでしょうか。もちろんファンの皆さんには感謝しているし、同時にリスペクトしています。
僕のファンクラブの方々は、50〜70代の女性が中心です。そもそも、女性の精神性は男性とは比べ物にならないくらい高いというのが僕の持論。男性は野心に突き動かされてしまいがちですが、女性は野心よりも誰かの力になりたいという母性愛が強い方が多いんじゃないかな。
特に昭和という時代に生まれ育った女性は義理人情に厚くて、この人を応援すると決めたらブレないという気がします。その意味で僕は、母性愛と時代に支えられてここまで来たといえるかもしれません。
2021年10月18日に66歳になりました。「郷さんはぜんぜん変わらないですね」と言っていただくことが多いのですが、そんなわけないよね、と自分では思います。パフォーマンスが衰えないと褒めてくださることに対しては「ありがとうございます」なのですが……。
昭和、平成、令和と時代が流れるとともに、世の中も進化を遂げてきました。僕は自分も進化しなければ、「郷ひろみはもう古い」と切り捨てられてしまうだろうと考えながら生きてきた。僕が変わらないように見えるとしたら、アンテナを張って時代を先読みしながら、その時代、その時代に少しでもフィットするよう変容してきたからではないでしょうか。