私があなたのために何かできたら

こういう時代になってきたからこそ、心をふくよかにするということが、とても大事なんじゃないでしょうか。次世代へと続くためには、担い手を途切れさせないことです。人を育てる、人の気持ちも育てることが大事。例えばそれは歌う側だけではなく、関わってくださるエンジニアの方も、ミュージシャンの方も、途中で担い手がいなくならないように育む。これから先に何があるかはわからないけれど、自分たちが持っている技術は絶対に活かせるという未来を諦めなくていいはず。

世の中が変化していく中、それぞれの年代で役割を持ちながら、生きていくということですよね。これから私も60代を迎える時が来るので、60代という世代の役割はなんなのかなと、自分の役割を考えたい。これからの世代を生きるひとりの人として、どんなふうに世の中にほんの少しでも役に立てるか、探していきたいですね。

これまで生きてきた恩返しじゃないですが、積み重ねてきたことがあるから、「今までありがとうございました」という気持ちなんです。「今度は、私があなたのために何かできたらいいな」って。今はそんな段階にいる気がするんですよね、とくにこの先の人生においては。それが私にとって、歌を歌うことだったら、歌を一生懸命やっていかなきゃいけないと思いますし、それ以外のことになるかもしれませんし、まだ答えは出ていません。

ただ、歌が聴きたいと言ってくださる方もいて、みなさんに披露するには、それなりの準備が必要だと思っています。歌うにしても、思い立ってすぐにできるものではなく、もしもアスリートだとしたら突然試合に出られるコンディションにならないのと同じで、その日までに少しずつ積み重ねていきたいです。

9月末、10月に東京、大阪のビルボードでライブを開催しますのでこちらも楽しみにしていたただければと思います。


(C)映画「紅花の守人」製作委員会

紅花の守人 いのちを染める
2022年9月3日(土)より
ポレポレ東中野ほか全国順次公開

語り:今井美樹
監督:佐藤広一 プロデューサー:高橋卓也
唄:朝倉さや
製作:映画『紅花の守人』製作委員会
配給:UTNエンタテインメント
https://beni-moribito.com/

<ストーリー・解説> 中近東からシルクロードを経て伝わった紅花(べにばな)。は、悠久の旅の末、いまもこの山形の地に息づいています。手軽で安価な化学染料に取って代わられた紅花は、なぜ未だに愛され続けているのか。栽培から染めに至るまで4年の歳月をかけて完成した、世界初!紅花を巡る長編ドキュメンタリー 。


今井美樹 with 倉田信雄 Billboard Live 15th Anniversary Premium2022
2022年9月30,10月1日ビルボードライブ東京、10月7、8日ビルボードライブ大阪