2017年から渡米した綾部さん。あらためて振り返ってみれば、想像を上回るほど波乱万丈な日々を送っていたそうでーー(写真提供:Yuji Ayabe)
又吉直樹さんとのお笑いコンビ「ピース」でブレイクを果たし、一躍人気となった芸人でタレントの綾部祐二さん。しかし人気絶頂の2016年に、拠点をアメリカへ移すことを発表。レッドカーペットを歩くことを目標に、17年からニューヨークへ移住しました。22年にはさらに拠点をロサンゼルスに移していますが、渡米から今まで、その具体的な生活や活動について多くを語ることはありませんでした。今あらためて振り返ってみると、想像を上回るほどに、波乱万丈な日々を送っていたのは事実らしく――。

ゾンビ映画の世界のようになったニューヨーク

この5年間、もちろん楽しいことばかりではありませんでした。

とくに新型コロナウィルスのパンデミックは、深刻な体験でした。

幸いぼくの周りでコロナが原因で亡くなった人はいなかったですけど、ほぼ全員、感染しました。おそらく最後にかかったのがぼくで、それも2022年に入ってからだったので、最悪な時期を避けられたのは幸いでした。

ただ、感染してもしなくても、パンデミックの影響はとてつもないものがありましたね。

もちろん、いまもまだ世界中どこでも油断できないわけですが、ある時期のニューヨークがとても大変な状況だったのを、ニュースで見た人も多いと思います。

次々と人々が感染して、街がロックダウンされました。

スーパーをはじめとした生活必需品を売る店以外、すべてがクローズしました。夜8時すぎに外を歩いていると、ポリスに怒鳴り散らされます。死者の数もうなぎ上りに増えて、火葬が間に合いません。

あれだけ煌々と輝いていた街が、ゾンビ映画の世界みたいになってしまいました。