オレがメッシで、自分がクリロナ

テレビ局の楽屋で、相方に告げました。

「前から言っていたとおり、アメリカで勝負してみようと思う」

ぼくとしては、ちょっと髪を坊主にしてみようかな、ぐらいのノリです。

「ええんちゃう」

相方のリアクションもあっさりとしたものでした。むしろ、「坊主にしてみようかな」と言ったほうが、「似合わないで、自分」と止められたかもしれません。

でも、お互いに何かを相談した時点で、それ以上言うことはない、というのが共通認識としてあったと思います。

「相方のリアクションもあっさりとしたものでした。むしろ、坊主にしてみようかなと言ったほうが止められたかもしれません」(写真提供:Yuji Ayabe)

さらにぼくは相方に言いました。

「ピン芸人、コンビ、トリオ、それぞれがサッカーの国の代表だとして、でも、オレらはピースという国の代表ではなく、お互い又吉という国、綾部という国の代表で、ピースというクラブチームでは一緒にやってるっていう感じにしていこう。芥川賞を獲ったおまえがメッシ。で、オレがクリスティアーノ・ロナウドになる」

「うん、それでええんちゃう」

そう言うと、相方は続けました。

「ただ、オレがメッシとか、自分がクリロナとかぜったいに人前で言わんといてな。めっちゃイタいから」