又吉直樹さんとのお笑いコンビ「ピース」でブレイクを果たし、一躍人気となった芸人でタレントの綾部祐二さん。しかし人気絶頂の2016年、拠点をアメリカへ移すことを発表すると、レッドカーペットを歩くことを目標として17年からニューヨークへ移住。22年にはさらにロサンゼルスへと拠点を移しました。かなり思い切った決断にも思えますが、そもそも最初にアメリカ挑戦を告げたとき、又吉さんからどんなリアクションが戻ってきたかというとーー。
相方が芥川賞を受賞して
2015年7月16日、又吉が小説『火花』で第153回芥川賞を受賞しました。
最初、ぼくはそれがどれぐらい価値のある賞なのか、わかっていませんでした。
でも、受賞会見で又吉が金屛風の前で100人ぐらいに囲まれていて、ぼくがそばを通っても誰もウンともスンとも言わなかったときに、これはすごい賞なんだということを理解しました。
又吉の快挙は社会現象にまでなったので、相方としてそこはもう乗っかっていこうと思いました。
コンビとして、ぼくがどういう立ち回りをするのがベストなのかは考えました。
選択肢はふたつでした。
芥川賞なんて知らねえよという姿勢でいくか、それとも、とことんへりくだって周りからの「すごいね」という空気をジャマしていくか。結果的に後者のスタンスをとってよかったと思います。