希林さんが美代子さんに勧めた《つなぎ融資の女王》役
そんな希林さんに、美代子さんは近年、確かに近づいていらっしゃる。半世紀近く、《追っかけ》ている私は、美代子さんが一歩ずつ希林さんに近づく度に大きな衝撃を受けているところです。
そんな希林さんと美代子さんは、ドラマで共演して以来、ずっと仲が良かったというわけではなかったと聞きました。つまり、ブランクがあったということ。ドラマ『寺内貫太郎一家』(TBS系)のメインキャストの皆さんが集合した「東京電話」のCM出演がオンエアされた1998年だといいますから、美代子さんは映画『釣りバカ日誌』シリーズに出ていた頃です。
でも、女優業よりは、『さんまのからくりTV』『さんまのSUPERからくりTV』(共にTBS系)で《天然キャラ》を炸裂させ、お茶の間の人気者に。1998年は『さんま・玉緒・美代子のいきあたりばったり珍道中』(フジテレビ系・年に1度の特番)がスタートした年でもありました。
「バラエティは本当に楽しかったし、さんまさんには感謝している」と美代子さんは度々言っていましたが、年齢を重ねていく内、どうしたら女優業に戻れるのかという葛藤も生まれてきているようにお見受けしていました。
そんな折、いつものように希林さんとワイドショーネタで盛り上がっていたとき、「あんた、これならできるんじゃない?」と言われたのが、実年齢を30歳近くサバ読んで、若作りをしていたことでも知られる《つなぎ融資の女王》役。当初、美代子さんは「私には無理」「もう、そんな話は来ない」と半信半疑だったといいますが、希林さんはプロデューサーに電話をし、資金調達にも動いたのだとか。「もし、それがうまくいかなかったら、持っている(マンションの)部屋をいくつか売ろうと思っていた、と後から聞いて、本当に驚いた」と美代子さんは話してくれました。