「盗んだでしょう」と言われても…

「家族に迷惑はかけまい」「自分はまだまだ大丈夫」と自分にいい聞かせ「大切な物は自分できちんとしまっておこう」とがんばっているのに物がなくなってしまうのです。

そうなると、「自分がなくしたはずはないから、ほかの誰かが盗んだのではないか」という被害妄想に至ってしまいます。

『マンガでわかる!認知症の人が見ている世界』(著:川畑智、監修:遠藤英俊、マンガ:浅田アーサー/文響社)

自分の持ち物や、きちんと管理しておきたい物が、知らぬまに突然消える感覚は、認知症の有無にかかわらず誰もが不安になりますし、すぐに解決したいという思いが出てきます。

介護者や家族からすれば、盗みを疑われるのはショックなものですが、「盗んでいない」と反論すると、「ますます疑わしい」と妄想が強くなってしまうことがあります。