日本人の20人に1人が認知症
日本には現在、認知症と診断された人がおよそ600万人いるといわれています。日本の人口を1億2500万人とすれば約5%。20人に1人です。
認知症のイメージを変えましょう。日本人の20人に1人が認知症と診断されて絶望したら、おそらくこの国は沈没してしまうでしょう。認知症は体の衰えからくる一つの病気なのです。
もう少しいうと、85歳以上になると約4割、90歳以上では約6割が認知症になるといわれています。認知症は長生きにつきものの病気なので、この病気になる人がさらなる高齢化・長寿化でますます多くなるのは間違いありません。今後、気づけば目の前に「認知症の壁」があったという人はたくさんいるでしょう。
近い将来、今よりも認知症はありふれた病気になります。恐れる必要はありません。
シニア世代になったら脳の老化をなるべく遅くして、症状が現れたら早期に治療(介護保険の利用)を開始する。そうすれば楽しい充実した人生を長く送ることができます。また、そのように生きる人も身近にたくさん出てくるはずです。
そのときに必要になる生き方のヒントのようなものを自分は伝えたいと思っています。
※本稿は、『80代から認知症はフツー ─ ボケを明るく生きる』(興陽館)の一部を再編集したものです。
『80代から認知症はフツー ─ ボケを明るく生きる』(著:和田秀樹/興陽館)
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