ひとり親認定の難しさ

都内に住む会社員の松本昭子(仮名・41歳)も、ひとり親認定までに時間がかかっている。2014年に4歳年上の男性と結婚、しばらくは週末婚をしていたが、同居すると夫は豹変した。

「いわゆるモラハラですね。自分の思い通りにならないと気に食わない。”バカ、死ね”は当たり前。小突くように叩く。すべてに関して、私を下に見ていました。食事は作っても味が好みじゃないと食べない。言い返すとその何倍も返ってくる。ずっと黙って言いなりになって、夜お風呂場で毎日泣いていました」

家賃と光熱費は払ってくれたが、それ以外は松本持ち。1年目に離婚を考えた。「このままでは結婚生活を続けていけない」とふたりで話し合った。相手も折れて少し反省して、「子どもをつくろう」ということになった。松本には、子どもができれば夫が変わるかもしれないという淡い望みがあった。

しかし子どもが生まれても変わらなかった。せめて「子どもの前では、”バカ、死ね”とは言わないで」と頼んでも、すぐに暴言や小さな暴力が復活する。