「日本一になりたかったら、口に蓋をしなさい」
それでも、あまりにおしゃべりが過ぎて、高校時代には陸上部の監督に「口に蓋をしなさい」とたしなめられたこともありました。
私は千葉県下でも陸上競技に力を入れている名門の成田高校へ進み、滝田詔生(つぐお)監督の自宅の離れに下宿していました。六畳一間の部屋で生活し、その部屋を次に使ったのが、室伏広治さん(スポーツ庁長官)であることが誇りです。
高校一年生の夏、滋賀県でのインターハイに出たとき、中学時代の友だちが応援に来てくれました。嬉しくてウォーミングアップまでずっとおしゃべりしていたら、肝心のレースで力が抜けてしまい、予選落ち。決勝に進めなくてすっかり落ち込んでいました。
すると、帰りの車の中で滝田監督に「ほんとうに日本一になりたかったら、口に蓋をしなさい」と言われたのです。