祖父の言葉を思い出して
撮影も順調に進んでいます。途中参加ですし、アウェー感があるのかなと少し心配していたものの、全然そんなことはなくて。主演の小栗旬さんをはじめ、皆さんあたたかい方ばかりで、「本当に大河ドラマの現場なの?」と思ってしまうくらいアットホーム(笑)。毎日、撮影に行くのが楽しいです。
共演者のなかには、映画を中心にやってきた方もいれば、歌舞伎の世界で芸を磨いてきた方々もいて。それぞれ持っている強みが違うため、現場ではそれらがぶつかり合い、火花が散っている。和気あいあいとしたなかにも凜とした緊張感があり、ものすごく刺激的で勉強になります。
この仕事が向いているかと聞かれると、正直今でもよくわかりません。この世界に入ると決めた時、祖父から「役者というのはお金を稼げる仕事ではないし、外から見えるほどキラキラした世界でもないぞ」と言われたんです。やはり芸の道の厳しさを知っている人は違いますね。今になって、やっと祖父の言葉を本当の意味で理解できるようになりました。
僕自身、たまに祖父や曽祖父の血みたいなものを感じることもありますが、何年やっても芝居は難しい。「ハッピーで楽しい」「心から満足」という経験は、これまで一度もありません。今だって現場は楽しいけれど、「この演技でよかったのか?」と常に己を疑っていますから。とはいえ、そもそも正解のない仕事なので、この先もそうした迷いから解放されることはないのでしょうね。
今年で35歳。甥っ子が2人いて、ものすごく可愛いんですよ。毎週のように会って遊んでいます。結婚に焦ってはいませんが、憧れはありますね。
両親は僕が『鎌倉殿の13人』に登場するのを楽しみにしていて、登場人物の相関図を見ては「いつから出るの?」と聞いてきます。本当に嬉しそうで、ちょっとした生きがいになっているんじゃないかと思うほど(笑)。いろいろと心配をかけている息子ですが、少しは親孝行できたかなと思っています。
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2022/11/27(日)~12/18(日) 東京建物 Brillia HALL
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2023年3月 東京国際フォーラムホールC