母の言葉の正しさとお金のありがたみを実感し
そして現在、私は夫から「なんでいつも君が払うの?」と聞かれるぐらい、いろいろな会食代を自分で払っています。
知り合い同士のお見合いをセッティングする食事会も、仕切った私が会計を負担します。
そうして人のために何かおせっかいをしようとする時も、お金で思いとどまる必要はありません。ありがたいことに小金を稼げているからです。
お金が人を積極的にしてくれるということは、生まれながらのお金持ちにはわからない感覚かもしれません。私は母の言葉の正しさとお金のありがたみを、身をもって実感することが出来ています。
※本稿は、『成熟スイッチ』(講談社現代新書)の一部を再編集したものです。
『成熟スイッチ』(著:林真理子/講談社現代新書)
昨日とは少し違う自分になる「成熟スイッチ」はすぐそこにある――。ベストセラー『野心のすすめ』から9年、人気作家が成熟世代におくる待望の人生論新書。日大理事長就任、「老い」との近づき方など、自身の成熟の現在地を明かしながら、「人間関係の心得」「世間を渡る作法」ほか四つの成熟のテーマについて綴っていく。先輩・後輩世代とのつき合い方、自分の株が上がる「お礼」の方法、会話を面白くする「毒」の入れ方など、著者ならではの成熟テクニックが詰まった一冊!