「将軍」とは誰が決めるものなのか

なお、そこから考えを進めて、今ぼくは『将軍の日本史』的な本を書いています。3月くらいに中央公論新社から発売される予定ですので皆様ぜひ、という宣伝はいったん置いておくとして、そこからエッセンスを。

あらためて、将軍は誰が決めるのでしょうか。

上記のような例があるし、天皇ではない? いや、普通は天皇の任命が将軍を定める。これが基本であることは変わりません。正確に言うと「天皇とは限らない」でしょう。

『武者鑑 一名人相合 南伝二』の北条政子。”尼将軍”との表記も(慶応頃錦絵帖、一猛斎芳虎、山庄)国立国会図書館デジタルコレクション

では神や仏か。

イギリス王室の例だと、新しい王の戴冠式ではカンタベリー大主教が王冠をかぶせる。こうした事例を参考にすると、神や仏の祝福を受けて、将軍は将軍たり得る。そんな考えも可能性はあります(たとえば江戸時代の将軍には家康=東照大権現の祝福が必要とか)が、これも違うだろう。

こうして考えを重ねた結果、ぼくがたどり着いた答えは「家臣の支持」でした。