過酷だった宝塚受験のためのレッスン
私が宝塚に初めて触れたのは中学3年の時。たまたま見たテレビで宝塚歌劇・雪組のトップスター杜けあきさんが『忠臣蔵』の舞台を最後に引退する姿に密着していたんです。宝塚の舞台裏や、タカラジェンヌたちの生き方まで丁寧に描かれていました。軽い気持ちで見始めたのに、途中から食い入るように見入ってしまい、見終わったときには「タカラジェンヌってなんてかっこいいんだろう!こんな風になりたい!」と心の中に燃えたぎるものを感じてしまっていました。(笑)
とはいえ、当時の私は身長だけは高かったものの運動とは無縁で、ブラスバンド部で地味に活動するのんびり屋のアニメ好き。でも高校生になっても、やっぱり夢が忘れられない。両親は基本的に私の「やりたい」という気持ちはなんでも尊重してくれていたので、とりあえず「公演プログラム」に掲載されていた「宝塚を目指す人のための受験スクール」に通い始めました。たぶん両親は「がんばったとしても、実際には合格は難しいだろう」と思っていたからこそ、後悔のないようにやらせてくれたんだと思います(笑)。父はそういう芸事の道に進むのは基本的には反対だったはずなので…。
ろくに運動をしたことがない私にとって、宝塚受験のためのレッスンは本当に過酷でした。周りの受験生はバレエも歌もできるのに、私は体も硬く、やりたいことがいつまでたってもできるようにならなくて…。それでも高校2年のときに受験しました。そしたら1次にも受からなかったんです。当然といえば当然ですがやはりショックでした。
それからの1年間はもうレッスン漬けの毎日。受験スクールのレッスンに毎日通って、皆勤賞をいただいたほどです。高校3年はラストチャンスですから、必死でした。そして、2度目の受験で合格。うれしかったですね~。