平手友梨奈の表現に魅了される

平手友梨奈脱退までを追った欅坂46の映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』を映画館で見た時も、本当に平手友梨奈は恐ろしい存在だと思った。

地面に触れた途端消えてしまう淡雪のような儚さがありつつも、閃光や雷鳴のようでもある。

多くは語らずとも、内に秘めた創造性は、それが全て露わになった時、爆発した時、一体どうなってしまうのだろう。そんな恐ろしさといてもたってもいられない心のうずきを感じる。

そんな平手友梨奈を語る上で強調したいのが、負の感情、人間の陰の部分を投影してしまう、不思議な表現者である、ということだ。

欅坂46のカラーとして、『サイレントマジョリティー』や『不協和音』など、同調圧力や社会の常識に抵抗する、というニュアンスの曲から、可愛いより、かっこいい、の傾向が圧倒的に強かった。

そんな曲のメッセージをこれでもかというほど表現していたのが平手友梨奈だった。

しかし、それだけでなく例えば先ほどあげた『ノンフィクション』や『WanteD! WanteD!』、さらにビリー・アイリッシュの『No Time To Die』を披露した時も、平手友梨奈の表現はすさまじかった。