サウナ室の取材

熱い場所での取材といえば、サウナ室も大変な思い出がある。真冬でも真夏でもとにかく熱い。普段なら気持ちよくて仕方ないのに、服を着ているだけで一気に不快。さらに、写真撮影もレンズが曇ってしまうので一苦労だ。レンズを拭って一瞬で撮影して、曇ったらまた拭って、を淡々と繰り返す。

そんな苦しい戦いを強いられるサウナ室の取材、ダントツで辛かったのは大崎の金春湯(こんぱるゆ)でのことだ。この銭湯には2種類の浴槽、サウナ室、水風呂があり、特にオススメなのは待合室にある畳の寝転びスペースだ。

そこでは小さいお子さんが絵本を読んだり、若者たちがビールを飲んで話していたり、ご年配の方がのんびり飲み物を飲んでいたりと、色んな世代の人々が畳に寄り集まっているのがほのぼのとしていてホッとしちゃうのだ。

さらに金春湯の魅力はサウナだ。入った瞬間に「これは良質なサウナ」と分かる芯までガッツリ温まる温度、テレビもBGMもないからこそ、静かに汗をかくことができる。体の奥に入ってくるような清らかな地下水の水風呂も心地よい。

中でも大好きなのは水風呂の前にある少し高めのベンチだ。この高さが絶妙で、やや足が浮いてしまう高さが関係しているのか膝まわりにあまみがすぐ出る。どんな初心者を連れてきても必ず金春湯だとあまみが出るので、あまみを経験したことがない人はぜひ行ってみて欲しい。絶対出る。

金春湯も、営業一時間半前に取材に向かった。浴室、待合室と、さくさく測量を進め、最後はサウナ室へ。サウナ室の扉を開けると、途端にモゥッとした熱気が顔面を襲う。これが裸だったらご褒美なのに!