JR静岡駅にたつ今川義元と竹千代(徳川家康)の像。2020年5月に完成した(写真提供:Photo AC)

松本潤さん演じる徳川家康がいかに戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのかを古沢良太さんの脚本で巧みに描くNHK大河ドラマ『どうする家康』(総合、日曜午後8時ほか)。第3話で岡崎へ戻った元康は打倒・信長(岡田准一さん)を決意するも、弱小の松平軍は歯が立たない。しかし今川氏真(溝端淳平さん)は援軍をよこさず、本多忠勝(山田裕貴さん)らは、織田に寝返るべきだと言い始め、駿府に瀬名(有村架純さん)を残す元康は今川を裏切れないと悩み――といった話が展開しました。

一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。第22回は「大名の妻」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

瀬名に迫る氏真。しかし…

前回、忠臣である酒井忠次(大森南朋さん)と石川数正(松重豊さん)による決死の進言もあって、元康はついに今川を離反。その知らせを受けた氏真は激怒しました。

ドラマでは、怒った氏真の家臣によって、駿府に残っていた元康の妻・瀬名さんが引っ立てられ、三河武士の妻たちが処刑されてしまいましたが、次話の予告によると、さらに氏真が瀬名に元康と離縁して側室になるように迫る、といったシーンも描かれるようです。

あんなに美しい有村架純さん、ではなく瀬名さんなら迫りたくなる氏真の気持ちも分かりますが、相手は人妻ですし、やっぱりそれはダメ。しかも氏真もこのとき既婚者で、れっきとした奥さんがいた。

そしてこの奥さん、それはそれは、できた方だったんです。