理解できない人から学べること

どうしても合わない人に合わせる必要はないですが、自分とは違うタイプの人から生きるヒントを得られることも多いのです。いったい、どういうことでしょうか。

人は、自分とは違う考え方や行動をする人に出会うと、違和感や不快感を持つだけでなく、不思議と魅力も感じます。

「あの人のしていることが理解できない」、一方では「でも自分にはできないけど、すごいな」という複雑な感情を持ちます。

これは、心理学の側面から見ると、「その人がしていることは、あなたもできる」という潜在的メッセージです。

『「他人に振り回される私」が一瞬で変わる本』(著:山本千儀/日本実業出版社)

私たちは、養育者からの影響や育ってきた環境のなかで、幼少期から、心の内に本当の自分を抑え込んでしまっていることがあります。

例えば、人前で自分自身を上手くアピールできない、人に頼ることができない、イヤなことをイヤと言えない人がいたとしましょう。

そんな人が、人前で堂々と自己アピールする人や、お願い上手で人に頼る人、イヤなことをキッパリと拒否する人、を見ると、「何かデリカシーがなくて、イヤだな」と感じます。

けれども、実は心の底ではその人をうらやましく思っているのです。自分もそうなってみたいという願望を潜在意識で抱えているのです。

自分とは違う人、ちょっと苦手だなと感じる人に出会ったら、「どうしてその人を見るとソワソワするのか」「不快な気持ちになるのか」を冷静に内観してみましょう

「本当は私もそうしたかった」ということに気づくかもしれません。