この記事の目次
〈症状〉病巣の位置により症状もさまざま 〈原因〉神経を覆う髄鞘が傷つく 〈治療〉投薬やリハビリなど症状別に対応
〈予防〉腸内環境の悪化やストレスに注意

〈予防〉腸内環境の悪化やストレスに注意

MSの患者は、欧米、カナダ、オーストラリアなど高緯度に暮らす人々に多く、10万人に対して患者は40~100人程度。日本では、欧米と比較して約10分の1 です。発症年齢は20~40歳で、30代がピーク。男女比は1 対2.9で女性が多いです。患者数は年々増加しており、厚生労働省の2015年度の調査では1 万9389人となっています。

患者数増加の要因として「食生活の欧米化による脂肪分摂取量の増加」「腸内正常細菌叢の減少」が注目されています。そのほか、ストレス、喫煙、ビタミンD不足、日照時間や紫外線量が少ない地域に住んでいること、ウイルス感染、肥満などが関係していると考えられています。

再発の予防策としては、過労、ストレス、感染をうまくコントロールして、適度に休息をとり、免疫力を高めることです。なお妊娠中は、胎児を異物として攻撃しないよう免疫システムが弱くなるため疾患は安定しますが、産後3ヵ月間は再発リスクが高くなります。妊娠前に再発をおこさないように体調に気をつけて適切な治療をうけ疾患を安定させていれば、出産後の再発は予防できます。妊娠前後は特に体調管理に十分気をつけましょう。

 

写真を拡大 MSにおける特定疾患医療受給者証交付件数の推移