家康の時代から長い時を経ても

14代将軍を決める際には一橋慶喜(徳川慶喜)を支持したためか、徳川家茂を推した井伊直弼が大老に就任すると左遷されました。それで1860年(万延元年)、第一線を退き、鳩翁と号しています。

それから1863年(文久3年)2月5日、将軍徳川家茂上洛警護のために結成された浪士組の取締役に就任します。

ところが皆さんご存じのように、浪士組は清河八郎の策略や、芹沢鴨・近藤勇らの分派行動により、本来の役目を果たせないまま江戸へ帰還することになります。これにより鳩翁は取締役を辞任。明治になると徳川家ゆかりの静岡に住み、1869年(明治2年)、62歳で没しています。

今は家康と対立しようとも、そこから長い時を経て、鵜殿一族は徳川と縁の深い人生を送った……という史実を知ると、ドラマがより楽しめるかもしれませんね。