ステージに照明が当たってメンバーが出て来た瞬間に凄まじい歓声が上がって……。踊りはもちろん上手いし、本当にすごかった(撮影:文藝春秋)

俺もEXILEみたいなアーティストになる

そんな時に登場したのが、HIROさん(現LDH会長)率いるEXILEです。

当時、アンダーグラウンドとメジャーって結構くっきり分かれていたんですけど、そこからHIROさんたちがEXILEとしてデビューされて。アンダーグラウンドから出てメジャーであそこまでいくというのが、一つのロールモデルになりました。

ただ僕は最初、そこまでEXILEに興味がなかったんです。僕が憧れていたのはクラブダンサーだったので、「なんでボーカルつけて踊るんだろう?」くらいに思っていました。(笑)

意識が変わったのは、2004年、初めて横浜アリーナでEXILEのライブを観た時です。当時ダンスチームを組んでいた仲間と一緒に観に行ったんですが、ステージに照明が当たってメンバーが出て来た瞬間に凄まじい歓声が上がって……。踊りはもちろん上手いし、本当にすごかった。

そのころ僕らが活動していたアンダーグラウンドシーンでは、大きなイベントでも2000人くらいの規模だったんですね。それが1万2000人もの人を集めて、中学生くらいの女の子からずっと上の世代まで、幅広い客層を沸かせている。もう感動して、「俺もEXILEみたいなアーティストになる」と、心に決めました。

ちょうどその頃、EXILEメンバーのMATSUさんがLDHでアパレルブランドを始められて、お店を出すことになったんです。僕はミュージカルの仕事でMATSUさんとご縁があったことから、「アルバイトしない?」と声を掛けていただいて。それ以降、昼はショップでアルバイトをし、夜はクラブで踊りながら虎視眈々とデビューのチャンスを狙う、という生活が始まりました。