ダンサーの青春を描いた、初の小説を出版

今回僕は、初の小説『パーマネント・ブルー』を出版させていただきました。高校生の時にダンスと出会った主人公・賢太と、彼のダンス仲間との青春を描いた物語です。横須賀や2000年代前半のクラブシーンが背景にあるなど、僕自身とも重なる部分が多い作品で、鉄平というTETSUYAを彷彿させる人物も登場します。

実を言いますと、最初はそれほどダンスのことを書くつもりはなかったんです。ダンサーがダンスのことを書くのはどうなんだろうと。でもやっぱりそれが自分の持ち味なんだろうなと考え直し、今回の作品が出来上がりました。

賢太とグループを組んでいるメンバーは、実際の仲間をモデルにしていますし、他にも風子さんという女性など、実在する人が登場します。フィクションの部分もありますが、自分が体験してきたことをベースにしているので、人物に関してはリアリティがあると思います。

風子さんは物語の後半で賢太と鉄平が出会う、謎めいた高齢の女性。昔から彼女とのエピソードは、いつか形にしたいと考えていました。風子さんのことを書くために、この小説を書いたと言っても過言ではありません。彼女と過ごした1日は、それほど不思議な1日だったのです。

2016年、いや2017年だったかな、風子さんはEXILE THE SECONDのライブを観に来てくれました。すごく喜んでくれて、僕らも感慨深かったです。

『パーマネント・ブルー』(著:橘ケンチ/文藝春秋)