大勢が不倫に反対であることには変わりない

ISSPの質問紙では、「結婚している人が、配偶者以外の人と性的交わりを持つこと」に対する賛否を聞いている。この質問に対する回答選択肢は「絶対に間違っている」「まあ間違いだと思う」「あまり間違いだとは思わない」「全く間違っていない」である。図2-1に3時点における日本の回答の割合を示した。

【図】不倫を間違っていると思っている人の割合の経年変化 『不倫―実証分析が示す全貌 』(五十嵐彰〈著〉 迫田さやか〈著〉/中央公論新社)より

図2-1から、1998年から2018年にかけて、ほぼ同水準を保っていることがわかるだろう。「絶対に間違っている」と「まあ間違いだと思う」を選択した人の割合は約20年にわたりほぼ90%という高水準にある。

近年では「絶対に間違っている」人の割合が若干減少し、その分「まあ間違いだと思う」が上昇するという変化があるものの、大勢が不倫に反対であることには変わりない。ここから、婚外性交渉に対する規範は一貫して高水準で共有されているといえる。

『不倫―実証分析が示す全貌 』(五十嵐彰〈著〉 迫田さやか〈著〉/中央公論新社)