ロカビリー全盛時代を切り拓いた、20代前半のミッキーさん(写真提供◎ミッキー・カーチスさん)

80歳には80歳の役が

第1回「日劇ウエスタンカーニバル」は1958年。ミッキー・カーチス、平尾昌晃、山下敬二郎は「ロカビリー三人男」と呼ばれて、当時の女子たちが熱狂した。

その評判があまりにすごくて、私も友だちを誘って見に行ったとき、ミッキーさんは紋付羽織袴姿で現れて、落語を一席。それがとっても素敵だった。

――ああ、それは第8回のときだね。あれは落語とは言えませんよ、小噺だね。「このへんにデパートはないのか?」「うん、すぐ、そごう」なんてね。今のビックカメラの場所が有楽町そごうだったから。

このとき偶然、(立川)談志師匠がロカビリーってどんなんだ? って見にいらしてて、ずっとあとになってから、「昔、何かやってたろ?」っておっしゃって、それで立川流に弟子入りした。

二十何人抜きかで真打にまでなりましたからね。57歳で入門して60歳で真打。もっともこれはBコースと言って、本職の噺家とは違う。もう一人の真打は放送作家の高田文夫だからね。