ひとりの人間の健康と権利を重んじる社会へ

高尾 本来なら生理のことを知るうえで、セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)という概念が欠かせないんです。

これは「性と生殖に関する健康と権利」と訳され、身体、感情、精神、そして社会的な幸福がセクシュアリティと生殖のすべての局面で実現できていることをいいます。

生理はもともと生殖にまつわる現象です。そのことで女性が不利益をこうむったり、医療へのアクセスが簡単ではなかったりする状態は、女性の健康と権利が守られているとはいえません。

女性の生理、それから更年期にこれだけ注目が集まっているのは、労働人口としての女性を見たときに、女性に、より継続的かつ効率的に働いてもらうにはどうすればいいだろう、という観点から考えられている点は否めないと思います。妊娠、出産にしてもそうですね。

女性も男性も、労働人口である以前にひとりの人間なので、その人自身が健やかに快適に過ごすことが大事(写真提供:Photo AC)

でも女性も男性も、労働人口である以前にひとりの人間なので、その人自身が健やかに快適に過ごすことが大事なんです。