「海の恵み鮮魚3種のサラダ仕立て」。右から長崎・小長井の生牡蠣ミントとレモン風味、天城産アマゴの燻製のタルタル、黄色いいくらのようなものがアマゴの卵。小田原産の天然ブリのたたきタプナードソース。奥は「遠州灘釡揚げしらすのレモンクリームのスパゲティーニ」。ふわふわの釡揚げしらすと、レモンの酸味も爽やかなクリームソースの組み合わせが絶妙。料理はすべて3800円のランチコースから
撮影:浜村多恵

季節には桜を眺めながら

中目黒駅から、目黒川沿いに桜並木を歩くこと10分弱。満開の桜を眺めながらランチを楽しめる絶好のお花見スポットがここ「オンダ トウキョウ」。小田原漁港直送の新鮮な魚介類を用いたイタリア料理が評判の隠れ家レストランだ。

「いたずらに手を加えず、食材の持ち味を全面に引き出した料理を心がけています」とは、中村圭佑シェフ。ランチには、手軽なパスタランチもあるが、ゆったりと味わいたいなら、おまかせコースがおすすめだ。

塚原牧場産梅山豚肩ロースのグリエ」。中国原種の豚で赤身が濃く、脂に甘みがあってやわらかいのが特徴

中でも、舌を楽しませてくれるのは、前菜の「海の恵み 鮮魚3種のサラダ仕立て」。その日に入荷した魚介のカルパッチョの盛り合わせなのだが、それぞれの味付けが実に当意即妙。例えば、ブリはたたきにして厚めにスライスし、肉のような食感を引き出すかと思えば、天城産のアマゴをスモークしてタルタルに仕上げ、小気味よい歯応えと香りを演出するといった按配だ。

一手間は加えつつも素材本来の旨みは決して損なうことなく、そのまま食べるよりもワンランク上の美味しさを満喫させてくれる。ワインが進んでしまうこと間違いなし! ふわっと軽やかな口あたりの釜揚げしらすがたっぷり入るクリーミーなパスタも見逃せない。