歌手の天童よしみさん(左)と声の専門医・渡邊雄介先生(右)(撮影:川上尚見)
歌手生活50年を迎えた天童よしみさんは、デビュー当時の曲もキーを変えずに歌い続けているそうです。加齢の影響を受けやすいのどを、どのようにケアしてきたのでしょうか。声の専門医・渡邊雄介先生が、秘密を解き明かします(構成=山田真理 撮影=川上尚見)

<前編よりつづく

人と話せば健康寿命は延びる?

天童 若々しい声の条件の最後の1つ、「メガホン」のような口の中の環境は、どうすれば整えることができるのでしょうか?

渡邊 1つは歯の健康です。歯が抜けた人の話し方は「フガフガ」と表現されるように、たいへん聞き取りにくいもの。入れ歯も、慣れない間は発音しにくい音があったり、口の中で舌が動く範囲が狭くなって話しにくくなりがちです。

天童 私は歌を歌う仕事ですから、定期的に歯科健診を受けるなど口腔内のケアに気を使っています。わが家はもともと歯が丈夫な家系で、90歳の母も、105歳で亡くなった祖母もすべて自分の歯なのが自慢。私も今のところ入れ歯はありません。