尼さん修行は一日中頭を下げ続ける「嘆願」から

道場に待ちかまえていたのは、先輩雲水たち。当たり前ですが全員尼僧、男子完全禁制。テレビなどのメディアにも一切、非公開を貫いています。

上は60代から、下は大学出たてのハタチそこそこまで。実家のお寺を継ぐ人、禅の教えに惹かれてはるばるやってきたドイツ人やフランス人など、いろいろな女性がいました。

玄関は、文字通りの最初の関門。

「このたび修行に参りました者です」「どうぞお上がりを」なんてやりとりは、一切なく、まずは修行の許しを乞う嘆願から始まります。

それも一日中、上がり框(かまち)にお尻の片方だけを引っかけ、体をねじって座り、道場に向かって頭を下げ続けるという厳しさ。顔を上げていいのはトイレに行く時ぐらい。あとは食事。ごはん時になると裏口に呼ばれて、「そこで食べなさい」となる。

これを、庭詰(にわづめ)といいます。まあ、入学試験みたいなものです。

耐えられなければ、サヨウナラ。実際にここで脱落する人もいます。

無事に修行を許可されても、ここから先がまた、しんどい。