「死へのサポート」とは?

四十九日法要や一周忌など、節目とされる法事を執り行ってもなお、半身をもがれるがごとき悲しみは、癒えるどころか深まるばかり。

大切な人との永遠の別れは、いつ、どんな形であっても理不尽なものです。

お連れ合いが亡くなって5年たつのに、毎日つらくてたまらなくて、不徹寺に駆け込んでくる方もおられます。

「あの人がいないと、私、生きていけない……もう、死にたいんです」

涙ながらに打ち明ける相談者さんのお話に、じっと耳を傾けます。

「死ぬなんてバカなこと言わないで、頑張って!」

などといった安易な励ましや慰めは控えて、ご本人のお話を伺い、やり切れない思いをすべて吐き出してもらう。

これが、私が生涯をかけて追いかけてきた「死へのサポート」の第一歩です。

『駆け込み寺の庵主さん――心のモヤモヤ「供養」します』(著:松山 照紀/双葉社)