相葉雅紀さんと仕事をするのは初めて

脚本は、橋田文化財団が創設した橋田賞を2020年に受賞された山本むつみさんにお願いしました。話し合いを重ね、何度も脚本のブラッシュアップをお願いし、おかげさまですばらしい脚本が完成しました。

『歳はトルもの、さっぱりと』(著:石井ふく子/中央公論新社)

主役は相葉雅紀さん。相葉さんと仕事をするのは初めてです。『相葉マナブ』や『嗚呼!!みんなの動物園』などの相葉さんを見て、ひじょうに心が素直で感性がやわらかい方だなと感じ、ぜひとも主役をつとめていただきたいと思ったのです。

相葉さんが演じるのは、早くに両親を亡くし、お姉さんに大学に行かせてもらった男性です。そのお姉さんも2年前に亡くなり、自分はひとりぼっちだと感じている。だから人ともあまりしゃべりたくないし、人とそれほど接しなくてすむ水道の検針の仕事をしています。

そんな彼が、ある日、友人に連れていってもらったおにぎり屋さんでおにぎりを握っていた女性がお姉さんによく似ていた――そこから、物語が展開します。