『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』の誕生

宇崎 あなたが作詞家・阿木燿子として活動を始めたのは、結婚してから。僕がダウン・タウン・ブギウギ・バンドを作って、まず最初のアルバムで1曲だけ、『哀しみの河』という曲の詞を書いてもらった。次に2枚めのアルバムを作っている時に、12曲入れないといけないのに3曲足りなくて、それであなたに詞を書いて欲しいと頼んだんだよね。そのうちの1曲が『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』だった。

阿木 卒業後はあなたは別の作詞家と仕事をするようになって、私はお役御免で助かったと思っていたのに(笑)。その時書いた3曲のうち1曲は、ストリッパーを主人公にした『ジプシー・マリー』。当時住んでいた家のそばに、ストリップ劇場があったのね。もう1曲は、米軍のベースキャンプを巡るバンドマンの歌。いま考えると、世間からはみ出した感じの主人公の詞が多かった。

大ヒット曲『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』の成り立ちを語る宇崎竜童・阿木燿子夫妻

宇崎 そもそもアルバムのタイトルが『続 脱・どん底』だったからね。

阿木 『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』の詞は、家にあったスーパーのチラシの裏に書いた記憶があって。当時のチラシは裏が白かったので。私は7年間のブランクがあってすっかり詞の書き方を忘れてしまって、好き勝手に言葉を並べていたの。それを見たあなたが、「この歌詞は1番と2番と3番で字数がバラバラだよ。これじゃあメロディーがつけられないから、歌わずに喋ろうか」って、そんな成り立ちでした。

宇崎 最初はアルバムに入っていて、その後シングルの『カッコマン・ブギ』のB面としてリリースされたんだよね。

阿木 それが、あれよあれよと言う間に大ヒット……。決して狙ったわけではなくて、ビギナーズラッキーだったと思うけど結果的には運命だったのかななんて、気もして。

対談後編はこちら

*コンサート後の様子を収録して公開予定の後編では、名コンビと謳われた歌手・山口百恵さんの才能、クリエイター、そしてパートナーとしての互いへの思いについてうかがいます。


2023年 4月 14日 金曜日 阿木燿子プロデュース
宇崎竜童コンサート〜風のオマージュ2023〜

日程/2023年4月14日(金)
会場/東京国際フォーラム・ホールC
開場 17:15 / 開演 18:00

料金/8,800円(全席指定・税込)
*未就学児入場不可

チケット発売中
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お問い合わせ/キョードー東京 TEL:0570-550-799
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