知識不足から子どもを危険に晒してしまう
・「予定日まで1か月あるのに、親の都合でもう産んでしまうなんて、何かあったらどうするんですか!」という、妊娠35週で緊急帝王切開になった妊婦の夫。35週は確かに早産だが、ほとんどの赤ちゃんが通常に発育する。
それより妊娠高血圧症候群であり母体のリスクが高いための帝王切開だった。しかし「妊娠の合併症で母体が亡くなる」可能性があることは知らなかったという。
・「育児がこんなに大変だとは知りませんでした……」という、産後うつになった父親。初めての育児に、ポジティブな面しか想像しておらず、その大変さやリスクについて知らなかったため、自身を追い込んでしまっていた。
その他にも、知識不足から子どもを危険に晒してしまうなど、この手の事例には事欠かない。
(敢えてこの言葉を使うが)これらの発言はすべていわゆる「有名大卒の高学歴」の方々から出てきた話だ。少なくとも義務教育を十分にクリアし、一定の情報リテラシーを持っていると考えられる人々ですら、このレベルである。
どれだけ日本人が妊娠・出産や育児について、乏しく、誤った知識を持っているかがご理解いただけただろうか。
この問題は別に男性だけの問題ではない。多少の違いはあれ、女性も同様の教育制度で育っている。